2024年09月30日

ビルや工場に欠かせない!受変電設備の仕組みや役割をご紹介

ビルや工場に欠かせない!受変電設備の仕組みや役割をご紹介

ビルや工場など、大きな施設や建物には、受変電設備が設置されているのが一般的です。通常、うかつに近づけないように、金網などで囲われています。受変電設備がどのような仕組みで構成され、どんな役割をはたしているのか気になります。

ここでは、受変電設備の仕組みや、メンテナンスの必要についてご紹介しましょう。

受変電設備の仕組みと機器

高圧受変電設備は、電力会社から供給された電力を、適切な電圧に下げて供給するための設備です。スムーズに機能しないと、安定した電力は供給されません。受変電設備は、さまざまな機器から構成されており、それぞれが適切に作動し、電圧を下げて電力を供給しています。受変電設備の仕組みは、以下の機器によって構成されています。

高圧気中開閉器(PAS)

高圧気中開閉器は、高電圧の電力回路を制御するための機器です。電力回路を開閉したり、逆に閉じたりして、電力の供給や遮断、保護を目的とする操作を行います。受変電設備でトラブルが発生した場合、電力を遮断して損害を防ぎます。

避雷器(LA)

避雷器は、雷の発生に伴う過電圧を制御し、設備や機器を保護するための装置です。雷は非常に高い電圧を伴って発生し、これが電気設備にダメージを与える可能性があります。避雷器はこのような過電圧を吸収し、システムを安全に保つ役割をはたします。

高圧ケーブル

高圧ケーブルは、一般的に高電圧の電力を伝送するために使用されるケーブルです。

高圧地絡継電器(GR)

高圧地絡継電器は漏電を検出し、切断のシグナルを送る機器です。高圧気中開閉器や高圧真空遮断器を切り、トラブルを防ぎます。

高圧真空遮断器(VCB)

高圧真空遮断器は、高い電圧を制御し、電力回路の開閉の役割をはたします。高圧の漏電や短絡などの場合に作動するシステムです。

過電流継電器(OCR)

過電流継電器は、異常な電流が流れる状況を検知し、その異常を検出するための保護装置です。異常な電流が流れると、過電流継電器は自動的に作動して回路を遮断し、電気機器や設備を保護します。

高圧交流負荷開閉器(LBS)

高圧交流負荷開閉器は、変圧器の容量が小さい設備の電気の「入・切」をする機器です。

変圧器

変圧器は、電力を一定の電圧に変換する電気機器です。6600Vの電流を、100~200Vに変圧します。

高圧進相用コンデンサ(SC)

高圧進相用コンデンサは、消費されない無駄な電気を発生させないための機器です。

低圧開閉器ブレーカー

低圧開閉器ブレーカーは、電気の短絡や使い過ぎにより電気を「切る」役目をするものです。電灯用と動力用があります。

受変電設備は定期的なメンテナンスが必要

受変電設備には耐用年数があるため、定期的にメンテナンスする必要があります。

受変電設備の耐用年数

受変電設備の法定耐用年数は、通常15年です。しかし、定期的なメンテナンスにより、耐用年数よりも長く使うことは可能です。近年は、省エネ性に優れた機器も開発されており、ランニングコストの低価格化が進んでいます。15年経過後は、メンテナンス継続と新機器導入のランニングコストを比較検討する必要があります。

計器用変圧器の耐用年数

計器用変圧器は、高電圧な電気を制御回路が利用しやすい低電圧に変換する機器です。主に電圧計など、計器の動作に使用されます。計器用変圧器の耐用年数は25年であり、他の受変電設備とは異なります。

変圧器の種類や冷却方式によって耐用年数が異なるほか、機器交換を一括または個別に行う場合、コストに違いの生じる可能性があるでしょう。

受変電設備の法定点検は基本的に毎年実施

受変電設備は、月次点検と年次点検が必要です。月次点検においては、外観目視点検や漏えい電流測定、受電盤・配電盤の電圧・負荷電流測定を行います。そのほかにも、受電盤・配電盤のブレーカー温度測定を行います。毎月もしくは3ヶ月に1回のペースで点検するのが一般的です。

年次点検は、1年に1回のペースで点検します。年次点検においては、絶縁抵抗測定や接地抵抗測定、保護継電器設備点検、停電状態での電気設備点検を行います。

受変電設備の点検を怠るのはNG

受変電設備の法定点検を怠ると、罰せられるので注意が必要です。電気保安法人の認可が取り消されるほか、企業としての信頼も失ってしまいます。点検を忘れないよう、スケジュールを組んでおくことが大切です。

まとめ

受変電設備は、高圧気中開閉器をはじめとするさまざまな機器で構成され、安定した電力を供給できるシステムが形成されています。しかし、安定した電力を使い続けるためには、受変電設備のメンテナンスが必要です。法定点検を怠ると厳しい罰則もあるので、忘れないように点検のスケジュールをしっかり組んでおきましょう。

「株式会社東葉テクノ」は、千葉県千葉市を拠点に受変電設備工事・電気設備工事・電気土木工事などのサービスを提供しております。実績が高く専門の資格をもつ作業員が、責任をもって施工いたします。個人のお客様から法人のお客様まで、さまざまな電気工事に対応しておりますので、電気トラブルでお困りの方はいつでもお気軽にご相談ください。