2024年06月17日

受変電設備は法定点検が必須事項!その根拠を詳細に解説

受変電設備のキュービクルなど、自家用電気工作物には法定点検が義務付けられています。毎月もしくは隔月1回の月次点検、毎年もしくは3年に1回の年次点検が必要なのです。法定点検を怠ると停電や波及事故につながる危険性があるだけでなく、感電や火災の危険があるといわれています。

本記事で、受変電設備に関する法定点検の根拠などを解説します。

受変電設備とは

日本各地の発電所で発電された電気は27万5,000V~50万Vほどの超高電圧で、そのまま送電線に送り出されます。高圧で送電すれば送電によるロスが回避されるのです。こうして送り出された電気は、複数回変電を繰り返し、徐々に電圧を下げ6,600Vまでに変電されて街中の電線に配電されます。

6,600Vで電線に送られた電気は、電柱の上にあるトランスと呼ばれる、柱上変圧器で100Vに変圧され、引き込み線で各家庭へ送られるのです。一方、工場やビルなどの大口需要家は、コスト面から6,600Vの高圧のまま受け入れ、自身の施設で100Vまたは200Vに変圧して各電気機器に送られています。この変圧設備一式が受変電設備です。

最近は受変電設備として「キュービクル式高圧受変電設備」が普及しています。キュービクルは「キューブ(cube)=立方体」から派生した用語を使っています。立方体の設備の中に変圧器や断路器や遮断器に変圧器など、複数の設備が収納されているのです。

受変電設備で電力費が削減可能

工場や病院やスーパーマーケットなど大量に電力を使用する施設では、電力会社の変圧器を通さず、自前の受変電設備を使うことで電気代が節約できるのです。受変電設備を賢く使うことでコストダウンを図っています。

受変電設備の法定点検が必要となる根拠

受変電設備は、6,600Vの高圧電力を電力会社の変圧設備を通さずに、自前で変換するものです。このように、電力会社から高圧のまま受電し、減圧する受変電設備は「自家用電気工作物」に含まれます。

自家用電気工作物を設置した場合は、「電気主任技術者」によって保安点検を実施することが「電気事業法」によって定められています。電気事業法施行規則(平成7年通商産業省令第77号)第51条の2項や第42条が根拠です。

法定点検は電気主任技術者が行う

自家用電気工作物にあたる、受変電設備を継続して安全に使用するために、月次点検・隔月点検・年次点検などが必要になります。このような点検時期などは、電気事業法の第42条第1項によって保安規定を定めることが義務付けられていて、保安規定を定めて実施します。さらに点検にあたっては、第43条第1項によって電気主任技術者を選任し、実施することが定められているのです。

外部委託で点検が可能

受変電設備の点検は電気主任技術者によって行う、と義務付けられています。ただし、自社の電気主任技術者が行うか、外部委託承認制度を利用して、外部の有資格者に点検を依頼することも可能になりました。

点検には、月次点検と年次点検があります。受変電設備の点検を定期的に行い、広範囲に長時間停電を引き起こすような、波及事故を防ぎましょう。また、定期点検を怠ると、波及事故だけでなく停電事故や感電事故、火災が発生する危険性もあります。

法定点検は外部委託が多い

原則として、受変電設備などの自家用電気工作物設置者は、電気事業法第43条に基づいて自社の従業員の中から電気主任技術者資格を所有する者から、電気主任技術者を選任する必要があります。しかしそれができない場合は、一定の条件をクリアすれば、電気主任技術者の選任を回避することが可能です。

自家用電気工作物の維持や運用に関する保安の監督に係る業務の委託契約を、一定の要件を満たす者と締結することがあります。その契約が保安上支障ないものとして、所轄の産業保安監督部長が承認すれば、主任技術者の選任を回避できるのです。(電気事業法施行規則第52条第2項の規定)

定期点検を怠ると事故発生のリスク

受変電設備の保安点検を怠ると、さまざまなリスクがあり危険です。まず、停電事故の恐れがあります。キュービクル受変電設備に蛇などが侵入したり、雨水が浸入したりすると配電設備が故障し、停電につながる事態が発生する恐れもあります。

さらに怖いのが波及事故です。受変電設備の故障が原因して電力会社の配電線を通じて近隣に停電が広がるケースもあり、大事故になるのです。また、感電事故や火災の発生などのリスクも想定されます。それだけ法定定期点検は重要なのです。

まとめ

受変電設備の法定点検の必要性と、怠った時のリスクについて解説しました。また、法定点検の根拠となる法律も紹介しています。受変電設備は工場や病院やスーパーマーケットなど、電力を大量に使用する施設で積極的に導入されています。省エネで電気代の削減につながるのです。

「株式会社東葉テクノ」は、千葉県千葉市中央区にある、電気設備工事と電気外構工事の会社です。受変電設備の設置や点検も承ります。また、当社は一般電気工事・リノベーション工事・電気土木工事など、広範囲な工事の実績があります。

さらに当社は、公共施設や民間施設の建設や電気工事にも携わり、受変電設備工事・電気設備工事・電気土木工事もしています。電気工事に関するどのようなことでも、ぜひ当社へご相談ください。